診療室
Co60近接照射に用いるコルボスタートの1新製作法
山田 文夫
1
,
田路 嘉秀
1
,
寺村 定雄
1
,
伊藤 勢津子
1
1大阪市立大学医学部産婦人科学教室
pp.856-858
発行日 1955年9月10日
Published Date 1955/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201247
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緒言
子宮癌の放射線療法には従来よりラジウム,レントゲン線等が用いられて来たが,最近は或る種人工放射性同位元素も之が目的に利用され,吾教室に於ても之に関する多方面の基礎的,臨牀的研究が行われつつあるが,多数の人工放射性同位元素のうち,例えばCo60等の応用は従来の放射線療法の代用療法と云うより,その具備する特性に鑑み,むしろ一歩進んだ治療法とも考えられる。而してCo60は遠隔照射,近接局所照射等に用いられるが,子宮癌に対して腟内近接局所照射を行う際には,従来のラジウム療法の場合と同様にコルポスタートの使用が里ましい。
従来よりコルポスタートとしてはガラス,金属,コルク,パラフィン,石膏,モデリングコンパウンド,アルギン酸剤等を材料とするものが報告されて居り,之らを使用しない場合にはガーゼ栓塞注が行われているが,之は固定保持に不完全であり,是非ともコルポスタートを使用すべきである。然るに上述のコルポスタートは夫々ある程度の長所を有するけれども他方種々の欠点を指摘されているので此処に新しいアルギン酸剤テクニコール(歯科用印象剤)及び常温即時重合レジンを以てする1新コルボスタート作製法を考案し,試用の結果良好な成績を得たので報告する次第である。
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