診療室
妊娠惡阻の治療
菊川 滿
pp.534-537
発行日 1955年4月10日
Published Date 1955/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201185
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妊娠中毒症に関する研究が最近数年間に目ざましく発展したが,今日なお"学説の疾患"としてその本態は未だ明らかにされて居ない。然るに妊娠中毒症の本態乃至原因を闡明するには2つの方法が考へられる。即ち(1)中毒症の原因と考えられる要約を動物に作用さして実験的に中毒症と同様の病状乃至病理組織学的所見を惹起せしめ得るか,又は(2)人体に発現したる中毒症を,人工妊娠中絶を行わなくとも,治癒せしめ得る合理的な治療法を確立する事が出来たならば,それから中毒症の本態乃至原因を推定し得るかも知れない。以上の考えから特に妊娠悪阻の治療に就て観察したところを述べる。
妊娠悪阻の研究に当つては「つわり」乃至悪阻の際に現われる諸症状の臨床的統計的観察を試みた。
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