原著
虚脱下地予知法としてのテブロン試験の再検討
齋藤 辰二
1
1東京医大産婦人科学教室
pp.411-418
発行日 1955年3月10日
Published Date 1955/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201162
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
I.緒言
腰椎麻酔(以下腰麻と略す)の下腹部手術に対する価値は,特に,完全腹壁弛緩を可能とする唯一の方法として,既に定評のあるものであるが,欠点として虚脱の危険を伴うことがある。
殊に中島(慶大)の調査によれば,全国の13.3%の病院に於て,虚脱による麻酔死が経験され,6777例中9例(0.132%)を示し,外科領域に於ける750例中1例という率を上回つている。又之を妊婦についてみるに,婦人科手術全体に於ては1000〜3000名に11の割合に比し500〜2000名中に1人という高い死亡率を示している。更に,帝王切開時麻酔死は,非妊患者の約10倍であると報告されている。
Copyright © 1955, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.