原著
新生兒頭蓋内出血に就いて
小林 敏政
1
,
加藤 一雄
1
,
小林 茂
1
,
平野 淸
1
1都立大塚病院産婦人科
pp.418-424
発行日 1955年3月10日
Published Date 1955/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201163
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頭蓋内出血は新生児の死亡原因として重要であるにも拘らず,産科医,助産婦等の関心が比較的尠いようである。それは従来我国の風習で一般に剖検があまり実施されていないためか,我国の成書の記載が簡単で且つ助産婦のそれには記載のないものが多いためか,又その死亡原因もよく検討されずに仮死,或は生活力微弱,新生児肺炎等のもとに葬り去られることが多いこと等に基因して居るものと思考される。
分娩遷延や鉗子手術等の難産後には,容易に本症を疑うが,正常分娩と思われる際にもあることが,二,三の報告にあつても,未だ充分に徹底して居らぬように考えられるので,自家経験の,しかも剖検によつて確め得た9例を報告し,之と内外の文献とによつて考察してみることとする。
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