病理解剖
妊娠に合併せる再生不能性貧血の1例
野間 國榮
1
,
高木 章雄
1
1名古屋大学医学部産婦人科教室
pp.719-721
発行日 1954年12月10日
Published Date 1954/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201130
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緒言
再生不能性貧血は1888年P.Ehrlichにより初めて記載され,本邦に於いて1917年簡野,入沢,甲賀等が最初に報告して以来屡々報告せられ,今日までに約300例に及び,悪性貧血よりも寧ろ比較的屡々見られると云う。然し本症と妊娠との合併は稀で,少数例の報告があるのでみである。尚本症が「サルバルサン」使用に起因する報告もなされている。
我々は最近,「サルバルサン」療法を受けていた妊娠8ヵ月の梅毒妊婦に強度の貧血を認め再生不能性貧血なることを確認したが,各種療法の暇もなく死亡せる1例に遭遇したので報告する次第である。
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