病理解剖
双角双頸子宮重複腟の一側閉鎖による偏側性子宮腟溜膿腫の1例
津野 淸男
1
,
秋葉 照夫
1
1東京大学医学部産科婦人科学教室
pp.721-723
発行日 1954年12月10日
Published Date 1954/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201131
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1.まえがき
重複子宮は両側のミユルレル氏管の癒合障害によつて起り,必ずしも稀なものではなく,殊に子宮卵管造影法が行われる様になつてからは,更に発見が容易になつてきたが,我々は双角双頸子宮重複腟で一側の腟が閉鎖されていたため,そこに経血及分泌液が潴溜して,腟溜膿腫を作り,臨床上恰も悪性腫瘍を疑わしめる症状を呈し,開腹手術により始めて確診し得た例を経験したが,今迄に発表が少く,比較的稀有なものと思われるので報告する。
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