特集 産婦人科診療の進歩
無痛分娩に就て
宮 信一
1
1東京大學醫學部産婦人科學教室
pp.718-728
発行日 1953年12月1日
Published Date 1953/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200930
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はしがき
所謂無痛分娩法に依る不快な産痛の除去は誰しも望むところであるが,其の本體をたす麻醉法の應用に對し,側切開並に鉗子手術を加味するといつた或る種の行き方に封しては,附帶操作自體が母兒に對し完全に無害であると云うわけにはゆかず,かゝる操作を併用せずとも時を待てば多くは大過なきを得ると云う見地から,反對論の起るのは極めて當然で,Readの所謂自然分娩NaturalChildbirthを例證するまでもなく,獨逸同樣専ら待期分娩を鐵則としてきた我國では,今後もかゝる方法が主流をなすことはあり得ないと思われる。
やゝ古い調査成績ではあるがDetroitのWo-man’s Hospital1)の集計は,児に對する麻醉と鉗子との行き過ぎを雄辯に物語つている。これの要點を表示すれば第1表の如くである。
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