症例研究
卵巣嚢腫と誤診せし腸間膜乳糜嚢腫の1例
藤島 隆
1
,
勝野 正哉
1
,
大島 正弘
1
1町立上尾病院
pp.227-229
発行日 1953年4月10日
Published Date 1953/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200817
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I.緒言
腸間膜に發生する嚢腫は1507年にBeniveiniiにより初めて報告されたもので,爾來諸家の報告もあるが,今尚比較的稀有なものである。しかして術前に診斷を下すことが極めて困難なるもので,特に女子に發生した場合は類似症候を呈する婦人科的疾患と明確に識別することが難かしい場合がある。我々も卵巣嚢腫の疑で開腹した所,腸間膜嚢腫なるを發見し,之を摘出治療せしめた1例を經驗したので茲に報告する。
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