速報
妊娠時の耳下腺腫脹について
落合 時典
1,2
1東京医科歯科大学産婦人科
2栃木県都賀病院産婦人科
pp.57-58
発行日 1953年1月10日
Published Date 1953/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200779
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従来唾液腺は妊娠によつて変化しないものと考えられていた。E.KehrerはHalban-Seitzのソウ書に「唾液腺は妊娠によつて変化しないように思われる」と述べている。
私は数十例のバセドウ氏病患者において,甲状腺切除後に唾液分泌増加を伴う術後性耳下腺炎(または腫脹)を経験し,内分泌系統から見た耳下腺の立場について興味を持ち,妊婦の耳下腺を臨床的に観察してきたところ,明かに妊娠時に耳下腺は腫脹し,産褥期に入り次第に縮小の傾向にある事を確認した。たまたま高岡は内分泌の見地から唾液腺の系統的臨床研究を行い,耳下腺の内分泌機能を肯定し,妊婦44名中43名に(97.7%)に耳下腺腫脹を認めている。
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