原著
婦人科疾患に於ける腟脂垢細胞出現率
最上 寬
1
1弘前大學醫學部産婦人科學教室
pp.503-506
発行日 1952年11月10日
Published Date 1952/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200703
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緒言
腟脂垢に關する細胞學的研究は1847年Pouchetによつて始められ,Stockhard, Long, Evans及びAllen,Doisy等の喫歯動物に於ける業蹟は性ホルモンの研究に劃企的貢献をなしてきた。しかし人間の腟脂垢細胞に就てはPapanicolaou1)(1933,1936),Rubenstein2)(1940),Traut3)(1941)及び石川4)(1950)等を始めとして多数の詳細なる形態學的發表をみたが,その細胞所見は著しく複雑であるため各卵巣周期に特有な細胞を決定することは困難な状態にあつた。私は主眼を細胞學的に性ホルモンの消長の窺知に置いて正常性周期及び性ホルモンと關係ある婦人科的疾患の腟脂垢に出現する細胞を後述する38種型に分類してその各々の出現率を算定しこれを一つの特長的曲線に表現し腟脂垢曲線(V.S.曲線)と命名した。
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