原著
Mainini妊娠反應の本體に關する研究
高木 繁夫
1
1社會保險群馬中央病院産婦人科
pp.3-10
発行日 1954年1月10日
Published Date 1954/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200963
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緒言
1947年Carlos galli MaininiがBufo arena-rum (Hensel)の成熟雄を用い,妊婦尿の排精誘發作用を利用する一新妊娠診斷法を確立して以來其の本體並びに應用に關する多數の業績が發表せられた。私も先にBufo vulgaris formosus(Bo-ulenger)を主とする關東産ヒキガエルを用いて,本反應の本體は下垂體其の他の内分泌腺や神經系を介さぬ尿中性腺刺戟ホルモン(以下ホルモンを"ホ"と略),即ちL.H.の特異な血行性睾丸直接刺戟作用に基くことを證明した。更に肝剔除によつてBufo屬に關する限りは從來否定的であり,むしろ蛙種屬の特異性と見做されていたRobbinsParker (1949)のXenopus laevis及びRanapipiens,坂元,神保,竹內(1950)等のRana ca-tasebiana及びRana nigromaculataに見られたアドレナリン(以下"アド"と略)排精を證明し,進んで之等兩反應間の相似性と,其の特異性とから,兩者の相關性に關する微妙な問題を示唆すると同時に,L.H.作用の本體も畢竟其の"アド"樣作用か或は"アド"樣物質の遊離に基く間接作用なるべきことを推定した(1951年1月及び4月)。
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