原著
戰後女學生の月經について(1)
原 悅次
1
1岡山醫科大學産婦人科教室
pp.257-260
発行日 1951年7月10日
Published Date 1951/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200504
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第1章 緒言
月經が婦人と如何に密接な關係にあるかは今更論ずるまでもない所である。從つて,月經に關する報告は枚擧に遑のない程であるが,之等の文献を見ると,女學生を調査資料にしたものとそうでないものとに,大體,二大別する事が出來る。社會醫學的乃至勞働醫學的見地より,勤勞婦人を對象としたものに意義がある樣に,女學生以外を對象としたものにも,夫々目的によつて,意義があるが,年齡の差が少く,肉體的精神的負擔生活環境等の諸條件が近似している女學生を對象とするものも亦大いに意義があるので,本邦に於ても,伊坂1)(明治43年)を始めとして,保坂2),施3).岡島4),松山5),小畑6).辻7),岩田8),小榮9)池口90),氏等,女學生を調査資料として報告した人が少くない。
併し,何れも,大體平時に於けるものである。我が國にとつて,第二次世界大戰は古今未曾有の出來事であつて,精神的,肉體的両面に,大變な影響を及ぼしたものと考えられる。從つて女子生活現象と密接な關係にある月經にも,戰前と異つたものが表われはしないだろうか。
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