速報・予報
腫瘍患者血液のEsterase及Kathepsinに就て
伊藤 久
1,2
1昭和醫科大學産婦人科學教室
2昭和醫科大學生化學教室
pp.114-116
発行日 1951年3月10日
Published Date 1951/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200461
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緒言
血液或は血清中のEsterase及Lipase作用は腫瘍に罹患すれば正常より作用の低下する事は人類並に動物について既に先人の指摘している所である。Green及Jenkinson (1934)は人類及白鼠に就て上の事實を明らかにし,またShimikin,Greenstein及Andervont (1944)は廿日鼠についてこの事實を報告している。本邦ではこれより先に本間及一色(1927)は家鷄について藤波加藤系肉腫を移植された場合にその血液殊に血清Lipaseは極めて低調となることを報告している。著者は産婦人科領域に於て腫瘍と血液酵素の關聯性を先づEsteraseに就て檢討した。
Greenstein.の近著「腫瘍の生化學」を繙くに腫瘍動物の血清酵素のうちEsterase以外のものの作用は却つて健康動物より高調となると述ている。著者はその意味に於てKathepsin作用をも檢索した。
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