原著
月經困難症の治療に就て
赤須 文男
1
,
山口 順
1
1東邦醫科大學産婦人科
pp.469-472
発行日 1950年12月10日
Published Date 1950/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200414
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緒言
月經時に精神的或は肉體的に不快な症状が發現するのは或る程度迄は生理的と稱する事が出來,從つて之を一つの月經困難症と診斷するには,この病的状態が相當程度に亢進した場合に限らるべきであるが,その限界は甚だ漠然たるものである事は止むを得ない。私(赤須)が醫局にいた頃,磐瀨教授から,月經困難症というのは,月經時の苦痛のために,鎭痛劑の注射をするとか,就床するとかの場合を云うのであると教えられたのを記憶している。從つて月經困難症の頻度などを調査する時は,この定義を充分にきめてかからなければならない事になる。然し,本症自體を主訴として外來へ,來る患者もあるし,又,他の主訴で來て,問診時にはつきりと月經困難を訴える患者もあるから,生理的と病的との限界にある患者を除外すれば,月經困難症の患者を治療の對照として研究する事は非常に意義の大きいものと云わねばならない。
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