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月經困難症の本體
R. A. Woodbury
,
George P. Child.
Richard Torpin
pp.254-258
発行日 1948年12月1日
Published Date 1948/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200152
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月經困難症に惱んだ事のある婦人の數を推定する事は難しい.色々の報告を綜合して米國の總ての若い婦人の約1/3が之に概當すると見ても大して誤りではないであらう.臨床的見地からHamanは此原因により一年間約140,000,000時間が浪費されて居り,此損失は約58,000名の婦人が1年間の仕事を休んだ事にも相當すると發表してゐる.是迄に月經困難症の原因及本體に關する多數の學説が提案された.その孰れも新しい事實の發見に基いた全く想像的のものであつた.然しどの説もそれが一般に適用してゐる間は,本症の研究並に治療上に大きな影響を齎らした.例へばSimsによつて本症が頸管の閉塞により招來されると主張されてゐた間は(而も此説はかなり長い間一般に承認されてゐたのだが)頸管を眞直にする.又は開展する各種の手段が講ぜられた.即ち頸管擴張,頸管ペツサリーからDuddley及Pozziの手術までが考案された.然し此等手術も無効な事が多かつた爲,此説は其後漸次衰微したのである.Bellは,本症は一般に子宮發育不全に基くものであるとの説に左袒した.其後本症の多くには何等説明に足る病的本體が發見されぬ事,環境によつてかなり左右される事などから,神經肉體的(Psychosomatic)因子も妥當化された.HamanはPelnerの感覺計を使つて.斯かる婦人は痛に對して特に敏感である事を見出した.
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