症例研究
重複子宮の整形術後經過に就て
萩尾 右藏
1
1佐世保共濟病院産婦人科
pp.96-97
発行日 1951年3月10日
Published Date 1951/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200453
- 有料閲覧
- 文献概要
余は腔中隔を有する双頸双角子宮にStrassmann氏手術を施行し,その後の妊娠,分娩,産褥の經過を觀察した1例を得たので,その大略を報告し,併せて畸形子宮の術後効果を檢討してみた。
平○マ○子。25歳,未産婦。家族歴及び遺傳關係に特記事項なし。生來虚弱なるも著患を知らず。初經14歳3ヵ月,爾來整調,持續6日間,經血稍々多量,經時軽度の腰痛あり。24歳2月に健康男性と結婚。同年4月21日を終經として6月7日より惡阻症状を訴え通院治療中,7月15日,特記すべき原因なく流産進行状態を來して入院す。内診するに外陰部は正常,子宮は超鵞卵大,潤軟,前傾,前屈,輕度に右傾す。腟は中隔により左右凡そ同大に2分され,腟壁は稍々潤軟,稍々輕紫色を示し,各腟管端に夫々輕紫色圓錐状の子宮腟部があり,右側のは左側のより稍々大である。外子宮口は左側のは小圓孔で閉鎖しているのに對して,右側のは稍々哆開し,稍々多量の凝血併に,血性分泌物の流出を認める。同日子宮内容除去術を施行す。消息子は右側外子宮口から8.5cm右外方に挿入出來る。右側子宮腔からは比較的多量の胎盤樣物質を得たが,胎兒は認め得られなかつた。術中出血は中等度にあつたが,術後第3日目には性器出血殆んどなく,第5日目(7月20日)にはStrassmunn氏整形手術を施行す。
Copyright © 1951, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.