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不感症の原因及び治療の經驗に就て
中島 精
1
1慶應義塾大學醫學部婦人科教室
pp.382-387
発行日 1949年10月10日
Published Date 1949/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200262
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前言
不感症に就いて述べるのであるが,實際は非常に難しい.感情と云うものは一定の尺度がない.外からは測り知ることが出來ないものである.まして私的秘事である性的感情に於いておやである.當人同志丈の事で他からとやかく云うべきものではない.患者は多いようでもあり,少いようでもあつて實際の數は解らない.只世の中の大勢と云うか,婦人雜誌に又大衆雜誌に性的問題が喧しく華々しく論ぜられるようになつたためが,比較的に多くなつて來たように思われるが然し全體の率から云つたら非常に多い.眞に訴えて來るものは1%にも滿たない.それだから一部の人が云う程多いものとは思わない.以下述べる事は戰後取扱つた實例からの經驗を主に記すことにし堅苦しい文献的の事は抜きにしたものである事を斷つておく.
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