原著
雄性蝦蟇を使用する妊娠反應(定性及定量)に就いて
久保 博
1
,
河野 通夫
1
,
藥師寺 信一
1
1國立東京第二病院産婦人科
pp.189-192,205
発行日 1950年5月10日
Published Date 1950/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200344
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緒論
1928年Zondek及Aschheim兩氏に依りマウスを使用する生物學的妊娠反應,次いで1929年家兎を使用するFriedman氏反應が發表され生物學的妊娠反應は略々完成されたが,1940年Hogbinは雌性蝦蟇の産卵反應を應用し,更に1947年アルゼンチンのCarlos Gralli Mainini氏は雄性蝦蟇(Bufo arenarum Hensel)に妊婦尿を注射するとその尿中に精子の排出する事を認め,之を妊娠反應に使用して優秀なる成積を得た.本反應は妊婦尿に多量に含まれている所謂腦下垂體前葉ホルモンに依る雄性蝦蟇の排精子現像を見るのであつて,實施が非常に簡單で成積判定も明確であり,且つ判定迄の時間も短く實驗動物の入手も亦容易且つ安價であつて實用價値が大なる等利點が多い爲に外國に於いては既に多くの追試報告があり吾國に於いても國内に在住する蝦蟇についてその優秀性が確かめられつつあるが,主として定性反應による報告のみであつて,尿中所謂腦下垂體前葉ホルモンの定量に關する報告は文獻も少く殊にマウス單位と蝦蟇單位との比較は之を見ない.
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