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妊婦尿の雄性性器に及ぼす作用,特に雄性蝦蟇による妊娠反應
古賀 康八郞
1
,
黑江 富雄
1
1青森醫學專門學校
pp.234-237
発行日 1949年6月10日
Published Date 1949/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200215
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緒言
妊婦尿中に所謂腦下垂體前葉ホルモン(以下ホと略す)が多量に排泄される事がAschheim,Zon—dekにより發見されて以來,その雌性性器に對する作用に就ては幾多の詳細な研究が行われ,A.Z.反應乃至其變法は現代に於ける最優秀なる妊娠早期診斷法として一般に實施されて來た.而して該ホは,雌雄の別なく性腺刺戟作用ある事が明かにされて居るが,その雄性性器作用に關する研究は微々たるもので,Brouhai Simonnet,Felo,Neumann,P.Gereb,阪口,尾形,森,廣田氏等はその睾丸に及ぼす變化を妊娠診斷に供せんと試みたるも,その所見區々で,卵巣に於ける如く明確でないのみならず,操作複雜で長時間を要する事等より一般に應用される域に達していない.然るに最近Carlos Galli Maininiは雄性蝦蟇(Bufo arenarum Heusel)に妊婦尿を注射し尿中に精子の排出するを認め,之を妊娠診斷に應用してFriedman氏反應に劣らない好成績を發表した.一方我が國の現状ではFriedman氏反應の實施は著しく困難な状態にあり,豫てより余等は簡易確實なる方法の發見を念願していたので,直ちに本法に改善を加え實驗せる結果理想に近い成績を得たので,その大要を昭和23年10月30日日本婦人科學會東北地方部會に發表した.
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