原著
妊娠に合併する腸チフスの臨床觀察
水野 重光
1
1順天堂醫科大學
pp.53-61
発行日 1950年2月10日
Published Date 1950/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200313
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緒言
腸チフスは終戰後幸に其の數減少したが尚本邦に於ける急性傳染病中四季を通じて主要の位置を占めて居り,且つ妊婦が本症に罹患する場合屡々中絶を來し,其の豫後も中絶よつて惡影響を蒙ることが内外の文献に認められる.
余は駒込病院6年間の勤務中20例の妊娠・腸チフス合併例に遭遇し詳細にその經過を觀察することが出來たので,これと就任前の昭17年度迄18年間に於ける同院腸チフス入院患者病歴から得た妊婦128例に就ての調査成績とを綜合して臨床觀察を行い,妊婦腸チフスに對する治療方針を檢討した.
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