豫報・速報
習慣流早産の防止並に乳汁分泌抑制に水銀劑を試用して
池內 眞澄
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1福岡縣遠賀郡水卷町日炭中央病院
pp.32
発行日 1950年1月10日
Published Date 1950/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200305
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私は昭和11年新京滿鐵醫院に奉職中時の醫長齋藤護邦博士が昔から自分の家の秘法のようになつているのだが,習慣流早産に水銀劑を長期服用させると好成績を收めると教えて下さつた.然し自分は黄體ホ,低單位卵胞ホ.ビタミンE,ビタミンC等併用して來た.最近黄體ホ,ビタミンEの入手が不可能となつたので水銀劑を想い出してイグロシン,ルエスチン,ネルケガン等を1週1回1cc宛の注射を連用してみた處好成績を得るように思われた.その後慶大中島助教授の症候上より見たる産婦人科診斷治療學や産と婦第1卷第5號,第5卷第6号の座談會記事に木下正中先生,篠田教授,中島助教授等が御經驗を述べられているのを知つて力強い味方を得たような氣持になつた.實は此等の文献は發刊常時に既に目を通していた筈であるが,黄體ホ等に心酔していた時代だから眼中になく,從つて全く記憶にも残らなかつたと思われる.自經例は未だ少なくして公表の域には至らないが確かに効くように思われるから殊に今の若い方々は一笑に附すことなく御追試をおすゝめし度い.
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