診療室
ビタミンE劑による流早産の豫防
船橋 守
1
,
近藤 貞義
1
1小松島赤十字病院産婦人科
pp.172-173
発行日 1953年3月10日
Published Date 1953/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200808
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緒言
習慣流産,切迫流産の豫防,治療に對してその原因のはつきりしていない場合は從來黄體ホルモン劑が使用され,卵胞ホルモン劑も又その豫防に有效である事が認められている。而して最近に至りKelloggはビタミンEは着床を確實にし,胎盤を保護する傾向があり,その缺乏は母體と胎兒との連絡に異常を生ぜしめるとし,Athanasstuは流産直後の婦人患者の血清中E含有量について90例中58例はビタミンE缺乏例でその缺乏が流産の直接原因であると述べている。
亦ShuteはビタミンEを流早産豫防ビタミンとし,不安な妊娠には臨月まで漸次多量に服用すべきであると述べている。私達は此の事に興味を感じ,ビタミンEを此の種の患者に應用してみて少數例ではあるが,聊か見るべき結果を得たので茲に簡單に報告し,諸腎の追試御批判を抑ぎたいと思ふ。
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