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人工流産掻爬手術のむずかしさ
藤井 久四郞
pp.484
発行日 1949年12月10日
Published Date 1949/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200290
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この手術は最も簡單なものゝ一つであるがやればやるほど變化があつてむずかしい手術でもあると思う。私の見た聞いたり經驗したりした2,3の點を拾つてみよう。
ヘガール杆による頸管擴張の場合一般に初妊婦では組織がやわらかくて案外開き易いことが多いが,經産婦では瘢痕のために組織が硬くて開きにくいことが少くない。經産婦だからと思つて安心してヘガールの順序をおわずにいきなり大きいのを挿入したゝめに出血の強い頸管裂傷を生じ,開腹して子宮剔出を行う必要にせまられた話もきいた。やはり面倒な様でもヘガールの番號通りに開いて行く方が安全である。頸管裂傷が出血を伴つても鉗子で頸管側部一體をはさむことによつて止血し,翌日掻爬を事なくすまし得た經驗談もきいた。
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