インフォメーション 新しいナーシングケアのために
人工流産剤
松山 栄吉
1
1東京厚生年金病院産婦人科
pp.1103
発行日 1984年10月1日
Published Date 1984/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661920891
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プロスタグランディンの誘導体
このたび厚生省から認可されたプレグランディン腟坐剤は,膣内に挿入するだけで人工妊娠中絶を行うことができるという点で,画期的な薬剤である.本剤はプロスタグランディン(PG)の1種である.PGはプロスタン酸を基本構造とする化学物質の総称で,化学構造から大きくA,B,C,…,Hに分けるが,それぞれにさらに多数の誘導体がある.生体内にも各種のPGがいろいろな臓器に分布しており,ビタミンやホルモンのように,各種の生理作用に関与していると考えられている.
PGは妊娠子宮に働いて頸管を軟化し,子宮筋を収縮させる作用を有している.しかも妊娠中のどの時期でも作用するという特長がある.すでにPGE2は経口錠でPGF2αは静注用で,陣痛の誘発ないし促進剤として,産科臨床上広く使用されている.
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