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トリコモナス腟炎の臨床的觀察—第3篇 治療成績
西島 明
1
1日本醫科大學産婦人科教室
pp.400-402
発行日 1949年10月10日
Published Date 1949/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200267
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緒言
ト腟炎の治療法に就ては非特性的治療は全く無效であつて,0,1%昇汞水洗滌硼酸グリセリン塗布というHoehneの所謂標準的治療法以来實は種々樣々な治療法が報告されて來ているが,何れも本原虫の驅除絶滅,再發防止は極めて困難であり,僅かにデヴェガン,スチロガン,トコモニン等が比較的良效の樣である.最近砒素系化學療法劑である所のカルバミシン出で,藤本,木下は卓效ありとして報告しているが,更に近くは本劑を主劑として作つた腟用錠劑カルバギンも廣く用いられているが,之に關する治療報告は未だ見られていない.余は第1及2篇で取扱つた432例の腟ト患者中92例に就て昇汞スルファミン療法を試み,又カルバミジン出現後は30例の本患者につきカルバミジン療法を追試し,更に少數例ではあるがカルバギン錠による治療法をも併せ行つたもので,之等をまとめて報告する次第である.
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