Japanese
English
診療室
トリコモナス腟炎の治療経験
Experience in the treatment of trichomonas vaginalis
藤井 久四郎
1
,
八尾 十三
1
,
片山 初雄
1
Kyushiro Fujii
1
1東京医科歯科大学産婦人科学教室
pp.419-422
発行日 1956年6月10日
Published Date 1956/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201380
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トリコモナス腟炎は毎日の外来診療室で遭遇するありふれた疾患であり,その処置も医師によつて多様である。それだけに実に種々の薬剤がとりあげられておる。腟トリコモナスの病原性やその条件などについても異論がたえたわけではない。しかし実際には,帯下を主訴とする患者の場合,うすい膿性泡沫性の腟内液を認めるときは多くは単なる懸滴標本の検査でも活溌に運動する腟トリコモナス原虫を白血球間に認め,何かの治療によつてこの原虫が消失すれば間もなく主訴がなくなることを常に経験する。したがつてトリコモナス腟炎の存在を認めないわけにはゆかない。
トリコモナス腟炎の治療としてはこれまで種々のものが用いられており,硼砂グリセリン,Yat-ren,DeveganまたはStylogan(4-oxy-3-acetylaminophenylarsenic acid),Carbarsone(para-carbamidphenilarsenic acid),Chloro-phill,その他による局所療法が主なもので.いずれを用いても第1次治療はえられるが再発が起り易いのが欠点である。
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