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アレルギー性素質疾患群を有する婦人の月經調査
矢部 善一
1
1徳島醫學專門學校中村内科教室
pp.63-66
発行日 1949年2月10日
Published Date 1949/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200168
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緒言
種々なるアレルギー性疾患々者の血族内に於て同一若くは他のアレルギー性疾患(以下「ア」性疾患)の發生が見られ,又當該患者自身が屡々他のア性疾患を經過し又は合併する場合の多き事實は周知の所である 之に對しKämmererはアレルギー性素質なる異常素質を基地として諸多アレルギー性疾患が發生し,又一定の遺傳型式によつて其の素質そのものが遺傳せられ,其の素質を基地として該疾患の出現を見るものであると述べている,余は以前より臨床上ア性疾患々者が屡々月經異常を訴える場合の多い事實を注目している.從來月經異常殊に月經困難とアレルギーとの關係に就て論述した記載は極めて少なくDale,Dutta等(1935)は月經困難の中にはアレルギーと密接なる關聯を有するものが存在することを指摘しUnke,Cook,Row等はアレルギー性疾患の全身反應の1症状として月經異常を發呈するものであると述べDuke,Schwarz,Smith等(1937)は食餌療法に依りア性疾患々者の月經痛が治癒する事實を擧げ,本態的月經痛め發生にはアレルギーが重要なる役割を演ずるものであるとの見解を發表している.
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