増刊号 産婦人科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド
産科編
VII 偶発合併症妊娠
梅毒
土屋 裕子
1
,
西井 修
1
1帝京大学医学部附属溝口病院産婦人科
pp.294-295
発行日 2014年4月20日
Published Date 2014/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103742
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疾患の概要
梅毒の母子感染は,主にTreponema pallidum(Tp)血症による経胎盤感染で起こる.児に感染した場合,流早産,胎児死亡,子宮内胎児発育不全,新生児死亡,早発性先天梅毒(梅毒疹),遅発性先天梅毒(実質性角膜炎,内耳性難聴,歯の発育異常 ; Hutchinsonの3徴)をきたす可能性がある.大半の感染妊婦は無症候梅毒(潜伏梅毒)であるが,潜伏梅毒の場合でも胎児に感染することがある.梅毒は,妊娠20週以前に母体の適切な治療を行えば胎内感染を十分予防できる,スクリーニングの有用性がきわめて高い母子感染症の1つである.
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