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授乳量より觀た乳汁分泌の臨牀的研究
桑原 久
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1熊本醫科大學産科婦人科學教室
pp.17-29
発行日 1948年2月1日
Published Date 1948/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200104
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緒言
乳汁分泌機轉に關しては,遠くギリシヤの昔より檢索が重ねられてゐるが,然も今猶神秘の域を脱しない。之を説明するものに或は神經説あり,或は内分泌學的に胎盤説,胎兒説,黄體説,卵胞ホルモン説等があるが,未だ萬人を首肯ぜしめるに足るものが無く,「乳汁分泌機轉は遂に久遠の謎なり」との感を抱かしめるに到つた。茲に於て余は專ら臨牀的に之が解決を企圖し,授乳量に立脚して各方面からその本體を衝き,大要次の如き成績を得た。
(1)實驗材料 吾が教室で經驗せられた授乳婦,實數1189例,延數8956例で,異常の妊娠乃至分娩,合併症等を經過したものは各別個にして觀察した。又新生兒も健康なものだけを選び,人工榮養兒,體重2kg以下のもの,發熱,嘔吐等のため治療的處置を施したものは凡て除外した。
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