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「マラリア」の子宮内感染,所謂先天「マラリア」に就て
岩井 正二
1
1東京大學醫學部産科婦人科學教室
pp.1-8
発行日 1948年2月1日
Published Date 1948/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200102
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第1章 緒論
「マラリア」原虫が胎盤を通過して胎兒を感染させるか否か,即ち「マラリア」が遺傳するか否かは極めて興味ある問題である。而してこの問題の解決は「マラリア」による流早死産の防止.新産兒乃至乳兒死亡率の低下等の實地方面に貢獻するのみならず,「マラリア」の免疫再發問題,更に進んで他の緒疾患の胎盤感染,一般免疫體の胎盤通過,胎兒への移行等といふ基礎的問題の解決にも寄與する所が多いと考へられる。然るに從來の文獻は單なる症例報告ばかりで,之に關する系統的な研究は全くない。茲に於て余は先天「マラリア」に關する諸問題,即ち原虫の胎盤通過性の有無,若しありとすればその頻度,之が母體「マラリア」の性質,兒の性,發育等との關係等を系統的に檢索し,更に進んでその免疫題及び傳播機序の一端を窺はうとした。
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