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産褥子宮復故の臨牀的觀察
市瀨 忠夫
1
1慶應義塾大學醫學部産婦人科教室
pp.109-135
発行日 1947年4月1日
Published Date 1947/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200087
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緒言
産褥の終了は專ら褥婦の身體に起る復故現象,殊に妊娠分娩により最も著しく變化せる子宮の復故完結を以つて標準となす。されば産褥子宮の復故状況を觀察追求するは臨牀上に重大なる意義を有す。外國にありては既に前世紀末までに詳細なる研究が續出して,子宮復故を示す決定的計測値の樹立せる觀を呈す。然るに本邦に於てはこの方面の業績は極めて少く,諸大家の著書を通覽するに殆んど總てが外國の業績を引用轉載するに止まり,本邦婦人を材料とせる研究は僅かに橋爪(哲)平山の2氏を出でず。茲に余は淺學菲才も顧みず本邦婦人を材料とせる子宮復故觀察の標準計測値の確立を企圖し,併せて産褥初期に見らるゝ未解決なる2-3問題に就き,從來と些か異れる觀點より研究調査を行ひ,幸ひ興味ある結果を得たり。
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