今月の臨床 子宮体がん診療アップデート
治療のトピックス
3.子宮体がんの特殊組織型に対する治療戦略
江本 精
1,2
1福岡山王病院予防医学センター婦人科
2国際医療福祉大学
pp.485-490
発行日 2013年5月10日
Published Date 2013/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103396
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
〈漿液性腺癌または明細胞腺癌に対する治療指針〉
●手術術式は子宮全摘出術,両側付属器摘出術に加え,骨盤・傍大動脈リンパ節郭清術/生検,大網切除が推奨される.
●化学療法においてこれらの組織型に対する個別化したレジメンを推奨するだけのエビデンスはない.
〈子宮癌肉腫に対する治療指針〉
●子宮癌肉腫はGrade 3の類内膜腺癌と同様な治療が推奨される.
●TC療法がIFM+PTX併用療法と同等に有効であり,治療の簡便さではTC療法が優る.
〈子宮平滑筋肉腫に対する治療指針〉
●単純子宮全摘出術+両側付属器摘出術が標準術式である.
●後腹膜リンパ節の腫大が確認された場合には生検または郭清を考慮する.
●ゲムシタビンとドセタキセルの併用療法は高い奏効率を示すが有害事象に注意する.
〈子宮内膜間質肉腫に対する治療指針〉
●単純子宮全摘出術および両側付属器摘出術が標準術式である.
●未分化子宮内膜肉腫ではリンパ節郭清術/生検を含めた手術を考慮する.
●進行・再発例では,低悪性度肉腫にはホルモン療法,未分化子宮内膜肉腫症例には化学療法/放射線療法を考慮する.
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.