今月の臨床 進行婦人科がんの集学的治療
子宮体がん
2.再発子宮体がんの治療戦略
長谷川 清志
1
,
塚田 和彦
1
,
多田 伸
1
1藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院産婦人科
pp.1123-1138
発行日 2013年11月10日
Published Date 2013/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103535
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
●子宮体がんは再発した場合のMSTは13~15か月と厳しいことから,再発を最小限にとどめる慎重な初回治療が肝要である.
●再発例の治療目標は延命および症状緩和である.しかし,約20%はレスキューされる症例があることを念頭に置いて個別化治療を行う.
●単発再発はまず手術を考慮する.手術では肉眼的完全切除が要求される.不完全切除では手術のベネフィットが得られない.
●放射線照射の既往のない腟壁限局再発や骨盤内再発に対しては放射線療法が適用されるが,後者の場合は化学療法の併用(CCRT)が適用されても良い.
●ファーストライン化学療法はTC療法が第一選択となりつつある.
●TAP療法のわが国での認容性を確認したほうが良い.
●セカンドライン化学療法は現時点では期待できない.
●再発体がんでも化学療法に際しては,TFIあるいはPFIの概念が当てはまり,それに基づいた治療を考えるのが良い.
●黄体ホルモン療法は類内膜腺がんG1あるいはPR陽性例に対し選択肢になるが,その効果は限定的である.
●分子標的薬のなかではmTOR阻害薬と抗VEGF阻害薬が注目されており,抗がん剤との併用の臨床試験の結果が期待される.
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.