特集 経腟分娩vs帝王切開—分娩様式の選択と対応—
5.子宮筋腫合併妊娠
日高 庸博
1
N. Hidaka
1
1福岡市立こども病院産科
pp.571-578
発行日 2020年6月1日
Published Date 2020/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001297
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子宮筋腫合併妊娠では帝王切開の頻度が高く,胎位異常や微弱陣痛になりやすいこと,体下部や頸部筋腫が頭位経腟分娩の物理的障害になりうること,などがその主な要因である。頭位であって児頭が筋腫よりも先進している場合には経腟分娩を基本に考えるが,体下部や頸部の筋腫が巨大で分娩障害が明らかな場合には陣痛発来前に選択的帝王切開を行う。内診や経腟超音波のみで評価が十分でない場合にはMRIを利用する。胎盤との位置関係は常位胎盤早期剝離や産後出血のリスクと関連してくるため,十分に評価しておく必要がある。帝王切開を行う場合には子宮切開法や児娩出法に工夫を要する場合があり,また術後は血栓症にも留意しなくてはならない。
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