症例
選択的Actinomycin-D動注療法およびUAEにより治療し得た子宮頸管妊娠の1例
伊勢 由香里
1
,
國久 有香
1
,
上田 智弘
1
,
上田 大介
1
,
西島 光浩
1
,
岩崎 正憲
1
,
西川 遼
2
,
上村 尚文
2
,
濱中 章洋
2
,
堀口 英久
3
1兵庫県立淡路病院産婦人科
2兵庫県立淡路病院放射線科
3兵庫県立淡路病院病理診断科
pp.495-499
発行日 2012年5月10日
Published Date 2012/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103061
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要旨
今回われわれは,妊娠初期に診断した子宮頸管妊娠に対し,Actinomycin-D(ACT-D)の選択的子宮動脈動注療法および子宮動脈塞栓術(uterine artery embolization : UAE)が奏効し,大量出血なく治療し得た1例を経験したので報告する.35歳,1経妊1経産.頸管妊娠の診断にて妊娠5週で入院した.第1病日にメトトレキサート(MTX)全身投与を施行したが,第4病日まで連続して血中hCG値の上昇を認めMTXの治療効果は乏しいと判断した.第4病日に選択的ACT-D動注療法およびUAEを施行し,第5病日以降血中hCG値の低下を認めたため,2週間の休薬期間を設け選択的ACT-D動注療法を計4クール施行した.血中hCG値は漸減,頸管内の胎囊は縮小傾向を認めた.胎囊への血流が非常に乏しいことを確認したうえで,第54病日に子宮内容除去術(dilatation and curettage : D&C)を施行した.大量出血なく胎囊を排出した.血中hCG値も陰転化し第56病日に退院した.
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