原著
子宮体部原発横紋筋肉腫の1例
濵﨑 晶
1
,
谷本 博利
1
,
秋本 由美子
1
,
本田 裕
1
,
永井 宣隆
1
,
三田尾 賢
1
,
金子 真弓
2
1広島市立安佐市民病院産婦人科
2広島市立安佐市民病院臨床検査部病理部
pp.1509-1512
発行日 2011年12月10日
Published Date 2011/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102869
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症例は70歳,2経妊1経産,47歳で閉経,多量の不正性器出血を主訴に救急受診した.CT・MRIで骨盤内に内腔に充実性隆起を伴う16 cm大の単房性嚢胞を認めた.術前組織診断では大細胞神経内分泌癌が疑われ,単純子宮全摘術・両側付属器切除術・骨盤リンパ節郭清・傍大動脈リンパ節生検を施行した.摘出標本の病理所見で腫瘍は横紋筋の特徴を持つ細胞から構成され癌腫の成分は認められず,子宮横紋筋肉腫胞巣型臨床進行期Ib期と診断した.術後8日目に退院し,術後化学療法としてパクリタキセル+カルボプラチン(TC)療法6コースを施行した.現在外来で経過観察中であるが,再発徴候は認めない.子宮肉腫に対する標準化学療法は確立されていないが,Epithelial Mesenchymal Transition(EMT)モデルに基づいて子宮体癌での化学療法に準ずる考え方もあり,本症例でも子宮体部上皮性腫瘍の標準治療であるTC療法を選択した.
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