今月の臨床 早産─ワンランク上の予防と管理
早産の管理
4.頸管縫縮術の実際
小嶋 伸恵
1
,
山崎 峰夫
2
1神戸大学大学院医学研究科,外科系講座産科婦人科学分野
2神戸大学大学院医学研究科,地域社会医学・健康科学講座総合臨床教育・育成学分野
pp.1469-1474
発行日 2011年12月10日
Published Date 2011/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102860
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子宮頸管縫縮術(以後,頸管縫縮術)は,もともと子宮頸管無力症(以後,頸管無力症)による習慣流早産を予防するための手術として開発された.その後,本術式は頸管無力症既往者にとどまらず,その発生が予測される異常を持つ妊婦の流早産予防目的でも施行されている.一方,妊娠中に頸管の軟化・開大や胎胞形成など切迫流早産徴候を示す症例に対しては,妊娠期間延長を目的とした治療的頸管縫縮術が実施される.しかし,臨床現場では予防,治療いずれの目的であっても手術適応決定にかかる医師ごとの方針の違いや病態経過の個人差がいずれも大きい.また,Shirodkar法とMcDonald法の2つの術式の優劣についても,科学的エビデンスに基づくコンセンサスは得られていない.本稿では,頸管縫縮術に関するいくつかの臨床研究報告を紹介するとともに,われわれが通常採用している方針を述べる.
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