今月の臨床 婦人科内分泌療法─病態の理解と正しい診断に基づく対処・治療のポイント
更年期・老年期
1.更年期障害
髙松 潔
1
,
小川 真里子
1
1東京歯科大学市川総合病院産婦人科
pp.523-530
発行日 2011年4月10日
Published Date 2011/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102643
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簡易生命表によれば,2009年の日本人女性の平均寿命は86.44歳,ここ25年間も世界一の長寿を誇っており,現代の日本人女性は人生の3分の1以上を閉経後として過ごすことになる.つまり,更年期の時期は女性のライフサイクルのなかで折り返し地点に過ぎず,この時期のヘルスケアは人生の後半におけるQOLの維持・向上に重要な意味をもつ.この時期に生じる退行期疾患として,脂質異常症,骨粗鬆症などと並んで更年期障害は重要な病態であり,特に自覚症状を有するためQOLにも直接関係する.一方,更年期障害の要因としては閉経に伴うエストロゲンの消退が最も重要であることは間違いなく,内分泌学的にエストロゲンを補うホルモン補充療法(HRT)は理にかなった治療法であるといえる.そこで本稿では更年期障害の実際とその治療法としてのHRTについて概説する.
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