今月の臨床 ホルモン補充療法を再考する
HRTの適応を再考する
1.更年期障害
赤松 達也
1
,
大塚 由紀子
1
,
岡井 崇
1
1昭和大学医学部産婦人科学教室
pp.783-785
発行日 2003年6月10日
Published Date 2003/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100898
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はじめに
更年期障害は,①加齢による卵巣機能の低下,②社会的要因・環境の変化,③心理的要因の複数の要因が絡み合って身体的・精神的症状として現れる複合的障害である.ほてり・のぼせ,発汗など血管運動症状と抑うつ,頭痛・頭重感,全身倦怠感など精神神経症状に大別できる.よってその病態は画一ではなく,一義的にその心身に現れる症状をestrogen欠乏に求めることはできない.WHIの報告は,改めてわが国におけるHRT(ホルモン補充療法)のあり方を真剣に考えるインパクトを与えるものであった.これまで更年期障害に対してHRTが推奨されてきたが,患者の自己決定権,医療の個別化といった時代の流れも踏まえ,HRTとそれに代わる薬剤について概説する.
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