今月の臨床 低用量OCの普及をめざして
OCの禁忌と重篤な合併症―リスク因子の抽出と早期対応法
若槻 明彦
1
1愛知医科大学産婦人科
pp.1514-1519
発行日 2010年11月10日
Published Date 2010/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102500
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はじめに
子宮筋腫や子宮内膜症は思春期から性成熟期女性において高頻度に発症し,月経過多や貧血あるいは月経痛などの症状を伴い,QOLを著しく低下させる.低用量ピル(oral contraceptives : OC)は本来の避妊効果に加え,月経過多や月経痛の改善などの副次的効果がある一方,いくつかの副作用も存在する.その多くは悪心,嘔吐などの消化器症状,不正性器出血,乳房緊満感などのマイナートラブルが中心であるが,稀に重大な副作用として静脈血栓症や心血管疾患,悪性疾患などの発症を認める.わが国ではOCは1999年に認可されたものの,その使用頻度は欧米諸国に比較して少ない.この大きな理由としてはOCの副作用にあると考えられる.
本稿では,OCの副作用と使用禁忌症例,さらには重篤な合併症に対する予防,対応策について概説する.
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