今月の臨床 子宮内膜症・腺筋症の外科的治療─機能温存をめざして
子宮腺筋症の機能温存手術
2.子宮筋フラップ法による子宮腺筋症摘出術
長田 尚夫
1
,
永石 匡司
2
,
山本 樹生
2
1加藤レディスクリニック
2駿河台日本大学病院産婦人科
pp.1202-1208
発行日 2010年8月10日
Published Date 2010/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102446
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はじめに
子宮腺筋症は,子宮筋層に発生する子宮内膜症で好発年齢は,30歳代であるが,最近の結婚年齢の高齢化に伴いますます増加傾向にある.子宮筋層内に広範囲に広がる重症子宮腺筋症は,強度な月経痛,過多月経による貧血などによって日常生活に支障をきたすばかりでなく長期にわたるホルモン療法や鎮痛剤の服用を余儀なくされる.また不妊症も合併することも多い.子宮腺筋症の治療には,GnRHアナログ,ピル,アロマターゼ阻害剤などを用いる薬物療法,子宮腺筋症塞栓術,開腹術や腹腔鏡下手術による子宮腺筋症摘出術など多くの選択肢がある.しかし薬物療法や手術療法にも限界があることから,最後には子宮全摘術に至るケースも少なくない.
本稿では,子宮壁の広範に存在する,いわゆる重症子宮腺筋症に対する子宮筋3重フラップ法による子宮腺筋症摘出術について術式とその臨床効果を紹介する.
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