連載 教訓的症例から学ぶ産婦人科診療のピットフォール・54
妊娠中の急性腹症―重症急性膵炎の2例
江尻 孝平
1
1岡山赤十字病院産婦人科
pp.1028-1033
発行日 2010年6月10日
Published Date 2010/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102415
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症例1
■患者 29歳,女性,初産婦
■主訴 胃部不快感
■既往歴 特記事項なし
■現病歴
最終月経は2003年12月.2004年7月下旬(妊娠32週1日),胃部不快感,血圧144/92 mmHg,尿蛋白(2+),著明な下腿浮腫にて,19時18分,救急車にて当院へ母体搬送となった.
■入院時現症
身長154 cm,体重62.3 kg(非妊時58 kg),血圧148/82 mmHg,脈拍78/min,体温37.1℃,上腹部に軽度圧痛,下腿に著明な浮腫を認めた.胎児心拍陣痛図はreactive,経腟超音波子宮頸管長31 mm,胎児推定体重1,281 g(29週0日相当),AFI 7 cm,臍帯動脈血流,胎盤に異常はなかった.
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