今月の臨床 産婦人科画像診断のセカンドチョイス
婦人科画像診断─どこまで可能か
10.リンパ節転移の診断
髙橋 哲
1
,
杉村 和朗
2
1神戸大学医学部附属病院放射線科
2神戸大学大学院医学研究科内科系講座放射線医学分野
pp.1005-1011
発行日 2010年6月10日
Published Date 2010/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102412
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はじめに
リンパ節画像診断は,これまであまり重要視されてこなかったと思われる.もちろんリンパ節転移の有無は予後因子として重要であるが,手術例では郭清により確認されるため,「大きな腫大リンパ節さえなければ」あるいは「リンパ節の存在部位さえ確認できれば」と,転移の有無の鑑別を期待される役割が小さい感は否めなかった.また放射線療法例では,局所stagingによるリンパ節転移のリスクに基づいて,解剖学的にリンパ節が存在するとされる部位に対して照射がなされている.
このように,リンパ節画像診断の役割が大きくならなかった一因は,これまでの画像診断が主治医の要求する情報を提供し得なかったことにある.本稿ではこれまでの画像診断におけるリンパ節転移診断の現状,診断能向上の試みを紹介し,さらに機能画像診断として注目されるpositron emission tomography(PET)やultrasmall superparamagnetic iron oxide(USPIO)を用いたMR lymphographyについて紹介する.
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