今月の臨床 頸癌,体癌—診療の現況
診断
7.子宮頸癌扁平上皮癌の腫瘍体積測定法
工藤 尚文
1
,
佐能 孝
1
,
瀬崎 宏之
1
Takafumi Kudoh
1
,
Takashi Sanou
1
,
Hiroyuki Sezaki
1
1岡山大学医学部産婦人科
pp.1410-1412
発行日 1993年12月10日
Published Date 1993/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901536
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1977年にBrughardtは,子宮頸癌症例を対象に,円錐切除標本から数十枚の連続切片を作成し,腫瘍体積と子宮外進展の関連について報告しているが,その後,子宮頸癌の腫瘍体積についての報告は,腫瘍を3方向の大きさで表現した報告にとどまっている。これは,多数の臨床例に対し連続切片を作成し測定することが困難であるためである。今回,われわれは子宮頸癌症例の摘出標本の腫瘍体積を臨床的に,簡単に測定する方法を考案し,子宮頸癌の腫瘍体積と子宮外進展について検討し,500mm3以下の腫瘍で,癒合浸潤タイプでなければ,子宮外浸潤がなく,3,000mm3以上であれば94%の症例に子宮外浸潤を認め,腫瘍体積と子宮外進展に一定の関係があることを認めた。また,術前に画像診断による腫瘍体積の測定法についても検討し,摘出物を用いた測定値とほぼ一致することを確認し,臨床応用の可能性を検討した。
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