今月の臨床 これを読めばすべてわかる―最新の産婦人科超音波診断
II 婦人科領域における超音波診断
[子宮疾患の超音波診断]
2.子宮筋腫
赤松 信雄
1
1姫路赤十字病院
pp.403-406
発行日 2010年4月10日
Published Date 2010/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102314
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
超音波ビームが腫瘤内を通過する間に卵巣嚢腫と比べて子宮筋腫では減衰が大きい1~3).したがって,前者では後面エコー (底面エコー)の増強が起こり,後者では後面エコーの減弱や後方エコーに減弱や音響陰影が起こる(図1).底面エコーをみることで腫瘤内部の性状を推測できることがある.また,子宮筋腫の内部は均質で,血管なども少ないために超音波の反射が起こりにくく,子宮筋層よりも内部エコーが低い.内部エコーの均質性でも腫瘤内部の性状が推測できる.
ところで,正常内性器の超音波像を正確に知り,正常像との違いを認識することが腫瘍診断の第一歩である.正常像では,腟に続く子宮頸部は3×2.5×3cm前後の充実性エコーを示す4).子宮頸部に続く子宮体部の過半数は前屈しているが,後屈しているものも4割近くある.子宮体部は5×3.5×4cm前後の充実性パターンを示すが,その中央に高エコーの内膜像を有することが多い.
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.