原著
卵巣表層上皮性・間質性腫瘍の術前診断の新たな知見―MRIと腫瘍生物学的背景から
田中 聖道
1
,
澤田 敏
1
1関西医科大学附属枚方病院放射線科
pp.215-219
発行日 2010年2月10日
Published Date 2010/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102283
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近年患者数の増加を認める卵巣癌は,腫瘍組織の多彩性のため,MRI診断と病理診断の隔たりが大きい領域である.今回われわれは術前MRIを施行され,病理にて表層上皮性・間質性腫瘍(漿液性・粘液性・明細胞・類内膜)と診断された79症例を対象に,(1)病理組織,(2)腫瘍マーカー上昇の程度,(3)代表的遺伝子変異・発生様式の3点について,組織型別にMRI所見との相関の点から検討した.(1)(3)の認識はMRI診断に直接的に,(2)の組織型別criteriaの設定はMRI診断に補助的に有用と考えられ,これらはMRI診断を軸とする術前診断をより精度の高いものにすると考えられた.
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