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編集後記
岡井 崇
pp.120
発行日 2010年1月10日
Published Date 2010/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102267
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昨年の総選挙で医師の60%が民主党に投票したとの情報が伝わっています.これは自民党を支持してきた日本医師会の求心力の低下を如実に表すとともに,民主党のマニフェストに記された“コンクリートから人間へ”のフレーズに医師が心惹かれた数字でもあると思っています.対GDP比国民医療費がOECD加盟国の下から三番目という不名誉からの脱出,すなわち人の命を軽視する国策の転換に期待が寄せられたのです.
ところが,いざ予算編成の段になると,財政赤字の巨大さに立ち竦み,来年度税収の大幅な落ち込み予想に足を掴まれて,結局は歩を前に進めることができずにいるようです.年越しの前に行われた“事業仕分け”では,医療危機打開に向け最優先の施策と位置付けられたはずの救急・周産期医療関連の補助金が半減されました.民主党自身がマニフェスト実現の難しさに頭を痛めていることでしょう.
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