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編集後記
岡井 崇
pp.96
発行日 2007年1月10日
Published Date 2007/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101363
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〈日本医学会〉
日本医学会が日本医師会の下部組織であることを知っている人は少ないと思います.私自身もそのことを知ったのは2年前で,評議員会がいつも医師会館で行われるので,なぜか?と尋ねたのが切っ掛けです.もちろん,そのことがそれほど重要だとは思っていなかったのですが,この両会の関係が最近になって問題視され始めました.
日本医学会長が議長を務めた第III次学術推進会議の報告書「わが国における専門医のあり方」があまりにも各学会の意見から掛け離れた医師会寄りの内容だったからです.日本医師会の定款第10章第49条に,「学会長は,学会の重要な会務については,本会会長と協議し,了承を得るものとする」の一文があり,そのため議長は医師会の意見を尊重せざるを得なかったという訳です.医師会から年間1億4千万円の補助金を受け取っているのですから,医学会自身の主張を通すのは実際に難しかったのでしょうが,この出来事を通して,101の分科会(各学会)の総元締めである日本医学会が日本医師会に頭を押さえられている現行の体制に問題があるとの認識が学会の間に広まったのです.
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