今月の臨床 婦人科がん検診
【乳がん検診】
2.乳がん検診における現状と問題点
大村 峯夫
1
1こころとからだの元氣プラザ婦人科
pp.1186-1189
発行日 2009年9月10日
Published Date 2009/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102178
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はじめに
わが国での女性乳癌は,厚生労働省,医師会,自治体などの主導でがん検診が広く行われるようになってきたが,いまだに罹患率,死亡率ともに増加しつつある.
他方欧米においてはその罹患率は増加しているが,死亡率はここ十数年間低下してきている.欧米におけるこの死亡率の低下は,主としてマンモグラフィ検診の拡充により早期乳癌の比率が増加するとともに治療法の改善があったためといわれている.
女性のがんのうち,現時点では罹患数の再増加が予想されている子宮癌(子宮頸癌,子宮体癌)とともに乳癌(図1,表1)が現在厚生労働省の指針に沿って検診の対象になっている.
ここではわが国の乳がん検診の現状と問題点のうち,産婦人科医が関与するレベルでの,①検診の指針の変更,②検診手法の問題,③受診率の問題などについて述べたい.
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