今月の臨床 ここが聞きたい―不妊・不育症診療ベストプラクティス
I 不妊の検査・診断 D男性因子
【尿道分泌液・前立腺液の検査】
25.尿道分泌液・前立腺液検査の適応,方法,臨床的意義について教えてください.
岩本 豪紀
1
,
吉田 淳
1
1木場公園クリニック
pp.404-405
発行日 2009年4月10日
Published Date 2009/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102014
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[1]はじめに
尿道分泌液,前立腺液の検査は,精路,副性器の炎症性疾患などを疑うときに行われる一般検査である.精路,副性器感染症と妊孕性の関連には議論のあるところであるが,多くの報告が男性不妊症と精路,副性器感染症の臨床的関連について言及している.抗生剤治療による炎症所見の改善とともに精子機能も改善するとする報告も多く,精路,副性器感染症の存在は妊孕性に悪影響を与えると考えられ,積極的な治療対象と考えられている.すなわち,男性不妊症の日常診療において精路,副性器感染症は軽視されるべきではない.男性不妊症の臨床上,精路,副性器感染症を疑わせる所見としては,主に膿精液症と血精液症を呈する場合ということになるが,これらの症候を有する患者には尿道分泌液,前立腺液の検査は必須の検査と考えられる.
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